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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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怪談話
階段は昇ることも降りることも大変

うらめしや~。夏といえば怪談ですが、今回は階段について考えてみたいと思います。

高齢者にとって階段は昇ることも降りることも大変な動作の一つです。特に男性が要介護になる原因として多いといわれる脳血管障害であれば、麻痺側の脚に体重を乗せることが苦手で、バランスも崩しやすくなっているため階段昇降は難しくなります。また、女性が要介護になる原因として多いといわれる骨関節疾患の場合も、痛みや関節の動きが原因で階段昇降が苦痛になることが多くあります。その結果、ほとんどの場合で2階への昇り降りをあきらめ、1階だけで生活することを余儀なくされます。

どうにかして2階への昇り降りはできないものでしょうか。実はこの問題、とても難しい問題なのです。僕が見たケースでは階段昇降機を利用して2階との往復をしていた方がいました。少しぐらい重たい荷物を持っていても、階段昇降機であれば2階まで難なく移動することができます。誰かに頼ることもなく、自分一人で階段を昇り降りできるのです。しかし階段昇降機の設置は介護保険の対象外であるため、実際には1件だけしか設置されているのを見たことがありません。だからといって介護保険を利用して住宅改修で手すりを設置しても、結局は十分な補助とはならず2階から遠ざかる例がほとんどです。最近では階段昇降のできる車いすが海外から入ってきて介護保険の対象となっていますが、これもあくまで介助者が必要であり自立した動作とは言えません。

開かずの間ならぬ、開けることのできない間と化す2階。介護保険や福祉用具では対応が難しい現状の制度を恨めしく思うまえに、まずは健康寿命を延ばせるように運動を習慣づけましょう。

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