ファーストリフォーム

ファーストリフォーム -スマホ版-

施工業者様向けの住宅建材
カタログ・インターネット通販

コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

作業療法士からみた住宅改修コラム一覧へ

からみた

住宅改修は体の大きさに合わせて!

朝晩の冷え込みが激しくなってきました。日中と夜間での温度差が大きく、体調管理に気を付ける必要がある季節ですね。また、夏服から冬服への衣替えの時期ですね。冬服を着てみると、昨年に比べて自身の体の変化に驚いてしまうこともしばしばあります。衣服は自身の体に合わせたものを着たいものです。

住宅改修も体の大きさに合わせて検討する必要があります。

今回はトイレの改修を例に挙げて説明させて頂きます。体の大きさに合わせる必要のある個所は、①便器の高さ、②便器の前方の壁や扉までの距離、③トイレに設置する手すりの位置が挙げられます。

①便器の高さ
便器の高さは、座位下腿長(座位で膝関節の裂隙と座面までの距離)に設定します(図1)。立ち上がりがしにくい方、股関節の屈曲範囲が狭い方はこれらより少し高めに設定します。あまり高くすると、座り込みが浅くなり、座面に臀部が載らず不安定な姿勢になることがありますので、ご注意ください。暖房便座や洗浄器付き便座を利用される場合は、それらの機器を取り付けた高さが座位下腿長の高さになるように設定します。
②便器の前方の壁や扉までの距離
便器の前方の壁や扉までの距離は、座高を参考にします。立ち座る際には、立位や座位から体の幹を前方に倒します。そのため、体幹を十分に前に倒すための距離が必要になります。この距離が十分取れていないと、立位姿勢が不安定になる、立ち座りに過度な努力が必要となってしまいます。
便器の先端から前方に少なくとも500㎜は距離を取る必要があります。また、身長が175㎝以上の場合はその距離に200㎜程度を加える必要があります。
③手すりの位置
手すりの位置は、座位姿勢安定の横手すり、立ち上がりの縦手すりがあります。
横手すりの位置は、座位姿勢を取り、脇をしめて肘を90°に曲げた時の座面から肘の先端の距離から10~20㎜程度引いた高さに設定します。便器の中心から壁の距離が400㎜を超える場合は、手すりまでの距離が遠くなりますので、前記の高さから少し高い位置に設定する必要があります。
縦手すりの位置で気を付ける点

縦手すりの位置で気を付ける点は、立ち座りにおける体の重心をスムーズに移動させることです。そのため、手すりを把持する際に骨盤がやや前傾もしくはまっすぐになっている姿勢になることです。それを誘導するには、使う方の上肢の長さに合わせる必要があります。便座に座り、縦手すりが握れるか少し手を伸ばして握れるところに設定します。座位・立位姿勢の保持が困難や不安・痛みを伴う方は手が届く位置に設定します。座位・立位姿勢が取れる方は手を少し(100㎜程度)前に伸ばす(手を前に伸ばした際の指位置になるような)位置に設定します(図2)。

これまでの記事