施工業者様向けの住宅建材
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無意識な手のひらの動作をデザインに。
兼用取替バリアフリーレバー錠 開発者
商品企画部:森 勇信
新しいレバーハンドル開発にあたり、人がドアを開閉する時の動きの観察をしました。
レバーハンドルであっても、にぎるというよりも、無意識のうちに「手のひら」で開閉している動作に着目しました。また、サムターンのつまみは指先に力が必要で、高齢者の方では操作しにくいことも分かりました。こうした動作をもとに、「にぎる」「つまむ」といったこれまでの常識であった概念を見直し、高齢者の方やリウマチなどの疾患を持つ方にも使いやすい新しいレバーハンドルの開発を目指しました。
手のひらを置きやすい扇型に広がるレバー形状は、特に「厚み」にこだわりました。形状を薄くすることでスタイリッシュに設計もできますが、見た目に弱々しく手を置いた時に華奢に感じてしまい使う方が不安になることがわかり、検証を何度も繰り返しました。衣類のそでがひっかかりにくいよう、手すりと同様に先端を扉側に曲げて納めるバリアフリーデザインも踏襲しています。
指先は神経が集まっていて敏感な部分ですので、施解錠を行うサムターンのつまみ形状では、特に「長さ」を大切に設計しました。ミリ単位で異なる試作を作製し、実際にしっくり操作できる長さを追求しました。
リウマチなどの方でも
扉との隙間がせまいので
「つままない」
現調の手間、
商品を探す時間を削減。
ドアの中に埋めこまれているラッチはメーカーや商品により規格が様々で、同じ見た目のドアノブでもバックセットと呼ばれるサイズが50mmだったり60mmだったりします。リフォーム業者さんはあらかじめ現場でサイズを確認した上で、同じサイズの商品を探して調達しなければならない手間と時間がかかっていました。
こうした困りごとを解決できるようにと、50mm・60mm兼用の新機能チューブラッチが完成しました。
バックセット50・60mm兼用の
新機能チューブラッチ。
例えば、車なら選ぶのも自分だし、買うのも自分、もちろん乗るのも自分。
しかしバリアフリーリフォームの場合、息子さんが商品を選び、施工業者さんが部材を調達し、実際に使うのはおじいちゃん、おばあちゃんといった例もあります。デザインや使いやすさ、取替えができるかどうかなど、商品を選ぶ基準が三者三様でそれぞれ異なります。どの視点からでもこの商品を選んでいただけるよう力をいれましたし、同じ取替えならやはりグレードアップしたと感じてもらえるデザインを意識しました。
手のひらでも開くことのできるフラット形状。
木を使い握ったとき冷たくなく、静電気防止にもなる筒形状。
レバーが握れない場合でも手のひらで開くことのできるフラット形状。
微妙な色やデザイン、各パーツのサイズ数mmに至るまで何度も試作や検証を繰り返して、やっとこの商品を完成させることができました。積み重ねた時間と苦労の分だけ、お客様に自信をもっておすすめできる商品です。
いままで「握って」「回して」いたドアノブをこの兼用取替バリアフリーレバー錠に交換したあと、無意識に「手のひらで押して」操作してもらえていたら、ドアを開けるという1日の中で何度も行う行為に使い難さやストレスを感じていた方が少しでも日常の生活が楽になったと感じてもらえれば開発者として、とても幸せです。
これからも実際に使う人の動作を観察し続け、新しい商品を創っていきたいと思います。