施工業者様向けの住宅建材
カタログ・インターネット通販
コラム介護の専門家からみた
「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。
作業療法士からみた住宅改修コラム一覧へ
作業療法士からみた
社会・生活環境研究所
作業療法士・二級建築士
山田 隆人先生
雪が舞ったりする日があったりともう冬の季節になりましたね。寒い日には、おでん、お鍋など体を温めてくれる食事がうれしいですよね。寝る前には、お風呂に入って体を温めてから布団に入りたいものです。
しかしながら、お風呂は安全な場所ではないことが知られています。高齢者においては交通事故で亡くなる方とお風呂で溺死されている方は同じ程度であること。また、お風呂で心肺停止のリスクが増えるのは、深夜の入浴・気温が低いときとの報告があります。お風呂には早い時間や気温が低くならない時に入るのが良いようです。
そんな安全とは言い難いお風呂で、安全性を演出してくれるのは手すりです。しかし、お風呂の手すりについては気になることがあります。
以前、住宅改修後の生活状況を確認する調査をさせて頂きました。その調査で、あるお爺さんが、白内障で見えにくくなったから手すりを付けたと話してくれました。しかし、お風呂の手すりには、何故か黒いビニールテープが張り付けてありました。その理由を確認すると、手すりを付けたまでは良かったが、壁の色に近い色の手すりは湯気が挙がると見えにくい。そこで、黒いテープを白い手すりに巻き付けて、手すりを見やすくしたと話してくれました(写真)。
その際の調査で、他のお宅のお風呂やトイレを見せて頂きました。そのお宅も同じ状況で、白の壁に白い手すり、水色の壁に水色の手すりといった調子で、壁と同系色の手すりがついていました。
冬場のお風呂場は白い湯気が発生します。安全にお風呂に入るには、湯気を通してでも見える手すりが必要となります。色の濃い手すりやお風呂の壁との色と違う色の手すりを選び、湯気を通しても使いやすい手すりにして、安全なおふろにしましょう。