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コラム介護の専門家からみた
「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。
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作業療法士からみた
社会・生活環境研究所
作業療法士・二級建築士
山田 隆人先生
夏の到来を思わせる日が多くなりましたね。天候が良くなると外出機会も増えます。環境を整えることで、外出機会を増やすことが可能となります。
日本の家屋は建築基準法に床の高さが地盤面より450㎜以上に設定しないといけないことが規定されています。その為、屋外から玄関ポーチ等に段差を作る必要があります。その段差の昇降を容易にすることで、外出しやすい環境になります。
住宅改修を検討する際には、対象となる方の身体機能に合わせる必要があります。そこで、身体機能を①杖等を用いての移動、②車椅子等の座位での移動、③臥床位での移動の3つに分けます。
今回は①の杖等を用いて歩行する方々への改修の際の留意点を紹介します。
段差昇降を安定的に行うためには、手すりが必要となります。屋外に設置する手すりとなるので、夏の暑さ、冬の寒さに耐えられるものを選定します。樹脂などで手すりの表面がおおわれているものを選びましょう。また、手すりは下りの際に使う方向(左側の麻痺がある場合は右側になります)で設置します。
玄関の出入りを安定的に行うためには、玄関扉横にも手すりを設置します。玄関扉は、引き戸であれば体の重心移動が少ない状態で開閉できます。防犯を重視する場合は、屋内側に引き込む形を検討します。
玄関ポーチのタイルは、濡れても滑りにくいものを選定します。将来、車椅子を使用することを検討する場合は玄関ポーチの奥行は1500㎜程度確保しておくと良いと思います。歩行での移動の場合は、スロープは検討しない方が良いと思います。この点に関しては、次回、紹介させて頂きます。