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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

住宅改修は手段?それとも目的?
目的を明確に

こんにちは。皆さんは、ダイエットされたことはありますか?ダイエットすることは、手段でしょうか?それとも目的でしょうか?

ダイエットすることで得られることは、体重の減少、自身のスタイルが良くなる、体形・健康維持、メタボの予防、若く見られたいから等々が挙げられると思います。これらは目的として挙げられ、実現するためにダイエットとして、食事での制限方法として、糖質制限やたんぱく摂取等々、運動することでカロリーを消費する方法としてのランニングやウォーキング等の手段を選択・遂行していきます。若く見られたいから痩せたい、その方法として糖質制限ダイエットを実施すると説明できます。ダイエットは手段であり目的を実現するための方法となります。

それでは住宅改修は手段でしょうか、それとも目的でしょうか?
介護保険制度において採用されている住宅改修が必要な理由書にこれら、住宅改修の目的および手段を記載する項目があります。「住宅改修により利用者等の日常生活をどう変えたいか」との項目がそれにあたります。利用者等の日常生活を変えることが目的されており、目的ではなく、住宅改修は手段とされていることがわかります。

住宅改修が必要な理由書に、排泄ができないからトイレの改造を行い、安心安全に生活するといった形での記載されることが多いと思います。目的が実現できる形で設定されているでしょうか?

普段私たちが生活するにあたり、安心・安全に生活することに目的を置くでしょうか。安心・安全に生活するには、何ができれば実現できれば良いのでしょうか。実現や達成された事柄を表す指標(物事を判断したり評価したりするための見印となるもの)を設定することが非常に難しいと思います。

「ハワイ旅行に行く、その為にお金を貯める。」という目標であれば、目標金額を貯めることで目的が達成され、目標金額に対して貯蓄した金額が達成度合いとして示されます。

目的を設定する際に、実現に向けて到達していることが把握できる指標や過程を検討する必要があると思います。先程のトイレの例であれば、すこし長くなりますが、「トイレの改修を行い(図1)、介助を受けずに一人でトイレまで移動し排泄行為を行い、自宅で自身の楽しみである園芸の時間を作る(図2)」といった目的であれば到達度の把握はしやすくなると思います。住宅改修の目的は一人で排泄ができること、それらができることで園芸の時間を確保することになります。達成の指標としては、一人でトイレに行けること、排泄に費やす時間が短くなれば、園芸の時間を確保できるといった様に、排泄過程の実現度、排泄行為の時間が目標の到達度として指標となります。

住宅改修を行う際には、その目的を明確に設定する必要があると思います。その為には、対象となる方の生活の遂行状況を把握することが求められると思います。その辺りの話は、次回で少し触れたいと思います。

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