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コラム介護の専門家からみた
「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。
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理学療法士からみた
Sport(エスポート)
リハビリテーション福祉コンダクター
理学療法士
和田 圭市先生
最近、マラソンを走り始めました。今まで長距離走が大嫌いで、マラソンを走る人の気持ちがわからないと公言していた自分が毎日のように走っています。きっかけは同僚の誘いと、理由のわからなかった心身の違和感を改善したいと考えたからです。
1つ目の違和感は、平坦な道路でのつまずきや机の角に足をぶつけたことでした。自分のイメージ通りに身体が動かず、ちょっと動いただけで疲れて休憩していました。ロコモティブシンドロームの始まりです。脳からの指令が筋肉に十分伝わらず、イメージ通りに関節が動かない骨や筋(運動器)の不調です。いつか転倒するだろう身体になっていました。
もう1つの違和感は、人間ドックで腹囲を測定しメタボリックシンドローム予備軍と診断を受けたことです。いわゆる食べても太らない体質だったはずの自分が、気づいたら3年間で10kg増量していました。運動して減量しようと思っても、代謝が低下しているのか今までのように簡単に体重が落ちません。重たくなった身体では動くことが嫌になり、何かと理由をつけて動かない生活習慣になっていました。まさに負のスパイラルであり、思考までメタボになっていました。
いかがでしょうか。皆さんも同じように感じることはありませんか?
これが高齢者であれば手遅れになりかねません。筋力や体力が低下すると自分の思い通りに身体が動かず関節疾患や骨折転倒の原因となります。運動量が少ない生活習慣は内臓脂肪を増やし高血圧や動脈硬化から脳血管疾患や心疾患のリスクが高くなります。動かなければ外出機会も減り、閉じこもりから鬱や認知症につながります。それぞれを転倒予防、生活習慣病予防、認知症予防で予防しますが、不調を感じてからで間に合うのでしょうか?
予防とは病気が生じないように注意し、前もって防ぐことです。知らず知らずに忍び寄る加齢変化に目をそむけず、違和感のうちから予防へ向けて歩み始め健康寿命を延ばしましょう。