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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

介護者予防
介護現場にロボットを

子どもの頃に夢見た未来は、自動車が空を飛び、人間とロボットが共存する世界でした。ボタン1つでなんでもできるそんな世界です。今回は介護現場にも導入され始めたロボットについて考えてみたいと思います。

介護するうえで最も身体の負担が大きいのは起居動作の介助です。寝返りや起き上がりはもちろん、特に大変なのが、立ち上がり動作や移乗動作の介助です。座位から立位へ姿勢を変える立ち上がり動作は、介護される側だけでなく介護する側の身体への負担も大きくなります。その負担は介護者の腰痛を招き、介護ストレスへと移行していきます。

そこで介護者の身体への負担を軽減してくれるのがリフトです。自動的に移乗動作を助けてくれる装置と考えればリフトも立派なロボットです。しかし、実際の在宅介護でリフトを見る機会はほとんどありませんでした。リフトを設置すると部屋が狭くなるというスペースの問題も1つですが、それ以上に問題視されたのは介護に対する考え方です。介護者の多くがロボットに頼らず自分の手で愛護的に介護をしてあげたいという理由で、リフトを使用しないという選択をされるのです。確かにその気持ちは大切ですが、それでは健康的な介護は長く続かず介護者は腰痛に悩まされ不健康な状態での介護に陥ります。長期化することの多い在宅介護では、介護される側の気持ちだけではなく介護する側の身体を守ることも忘れてはいけません。だからこそ、今後はロボットスーツに期待がかかります。電動自転車がペダルをこぐ力をアシストしてくれるように、ロボットスーツは介護者の必要とする力をアシストしてくれます。介護される側は直接愛護的な介護を受けることができ、介護する側には力強さを備えることができるロボットです。

今年度は介護予防をテーマに書かせていただきました。介護予防と聞くと介護が必要にならないように予防することをイメージしますが、実際は介護度が重度化しないように予防することも大切な役割です。また、老老介護が増えている在宅介護において、介護される側だけでなく介護する側の健康を守ることも介護予防の重要な役割ではないでしょうか。介護者がいつまでも健康的に介護できるようアシストしてくれるロボットこそが、今後の介護現場に求められるロボットになりそうです。

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