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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

開発秘話
たよレールrest完成

トイレの手すり(たよレールrest)を作りました。とはいってもアドバイスをさせていただいただけですが、ようやく形となり完成発売を迎えます。初めての経験でとても楽しく、たくさんのこだわりが形になったのでその開発秘話について少しだけお話します。

まずは対象者を絞りました。介護保険を利用している割合は男性よりも女性が多く、介護が必要となる主な原因は運動器(骨、関節、筋肉)の問題です。独居高齢者の割合も女性が多く、日常生活の自立が余儀なくされます。せっかく作るならたくさんの人に使ってもらいたいという思いもありますが、実際にトイレ動作や立ち上がり動作で一番困っているのは女性というわけです。

次は手すりに傾斜を付けた経緯です。本来立ち上がり動作は骨盤が前傾し膝より前に顔を出し体重を前方へ移動することで楽にできます。しかし、高齢者は筋力低下や痛み、関節の動きの問題で立ち上がり動作を失敗することが多くあります。膝に手をつき反動をつけて立ち上がる姿は重たいお尻を持ち上げるための工夫です。そこでイメージしたのがトイレリフトでした。便座が斜め前方へ持ち上がりお尻を前上方へ押し出してくれる昇降式の立ち上がり補助便座です。この仕組みを取り入れられないか考えた結果が手すりの傾斜でした。手すりに傾斜をつけることで自然と体重が前方へ移動し立ち上がりやすくなるのです。さらに手すりを持って座ることで骨盤が前傾し踏ん張りやすく、直腸と肛門の角度も排便に適した角度となる副産物も得ることができました。

理学療法士は身体の動作の専門家です。動作を第一に考えたモノづくりの面白さを感じるとともに、少しでも多くの人のトイレ動作が自立に向けて改善できることを期待しています。

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