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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

60歳の壁
歩き続けるために、脚の筋力維持を!

市民ランナーがフルマラソンを走り抜くために最も必要な能力とはなんでしょうか?それは強い心肺機能ではなく、30km以上走り続けることができる脚の筋力です。マラソンでは30kmの壁と言われ、30kmを過ぎたあたりから身体が重くなり脚が止まります。なんとかして前へ進もうとしても重たい脚が持ち上がらず、すり足となり平坦なコンクリートの道でもつまずきます。それを乗り越えられるように日々のトレーニングで脚の筋力をつけることが欠かせません。実はこれ高齢者の転倒予防にも同じことが言えます。

高齢者の転倒の原因は筋力低下です。バランスが悪いから転ぶのではなく、下肢の筋力低下で太ももが持ち上がらず足が地面に引っかかり転びます。イメージするなら、一日中街を歩き回って足が棒になった状態での帰り道でしょうか。足が棒になると上手に脚を振り出せず、膝も曲がらないためにつまずきやすくなります。本来、転ばないように歩くためには、股関節を曲げて太ももを持ち上げることで脚を前へ振り出すことが重要です。膝関節も一緒に曲げることで足を地面から引き離すことができます。そのときにつま先を持ち上げていると地面に引っかかることなく上手に振り出しができます。しかし、高齢者の歩き方は違います。背中が丸く、膝を軽く曲げお尻の位置が低くなった姿勢で歩きます。下肢の筋力低下により太ももを持ち上げて脚を振り出すことができません。膝も十分に曲がらないため足を地面から引き離すこともできません。片足立ちで身体を支える筋力も無く、すり足となり小さい歩幅で歩くために段差のない居室でつまずき転びます。高齢者の筋力から考えると、重たい脚(片脚は体重の約6分の1の重さ)を前へ降り出すことはとても大変なことなんです。だからこそ、予防策としてスクワットや片足立ち保持で筋力をつけ、上手に脚を振り出す力をつけることが必要です。

60歳を過ぎると下肢の筋力低下は顕著に現れます。60歳の壁を乗り越えるためにも日々の運動が必要です。最期まで転ばずに歩き続けるために、脚の筋力維持を目指しましょう!

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