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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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転倒予防の在り方
要介護にならない身体作り

マラソンを走り始めて1年が経ちました。周りからは走る意味が分からないと理解されにくい趣味ですが、僕の場合は身体の健康を維持するために走っています。もうすぐ息子と親子マラソンを走る予定もあり、一緒に練習する仲間もできました。先日一緒に練習していたときのこと、息子が転んで膝を擦りむきました。子どもは転んでも擦り傷一つで済みますが、高齢者はそうはいきません。そこで今回は転倒予防の在り方について考えてみます。

閉経後の女性は骨粗鬆症になりやすく、転倒すると骨折が避けられません。その骨折が生活の妨げとなり要介護の原因となるため転倒予防が必要です。しかし、高齢者に多い3大骨折の原因は転倒だけではありません。橈骨遠位端骨折(前腕の2本の骨の親指側)では、何かにつまずいて転倒し危ないと思って手のひらをついたときに骨折します。転倒しなければ発生しない骨折のため転倒を予防することが重要です。大腿骨頸部骨折(股関節にある脚の付け根の骨)は、転倒時に手が出ず膝をついて大腿骨が捻れたり、直接お尻を強打すると骨折します。ただし実際は、つまずいた時点で大腿を捻って骨折してから転倒することも少なくないようです。この場合は転倒前の歩き方を改善する必要があります。脊柱圧迫骨折については、転倒が理由ではありません。加齢による筋力低下から姿勢が崩れ、ドスンと座る衝撃や重たいものを持ち上げる負荷を脊柱の弯曲で吸収できなくなり骨折します。圧迫骨折の方に骨折時の状況を聞いても「椅子に座ろうとしただけ」「なんとなく背中が痛くて病院を受診したら折れていた」など本人も知らない間に骨折しているのが特徴です。

転倒予防は転倒しないように予防するだけでは十分とは言えません。転倒予防を骨折予防と捉えて、要介護にならない身体作りが必要です。そのためには筋力維持の運動と日々の姿勢や歩き方の改善に注意を向けましょう。

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