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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

外出するには靴を履く!

日本の住宅の玄関には、高さの差はありますが上がり框の段差が存在します。高齢期になると段差を越えることが困難になることが多くあります。これまでに、玄関段差を昇降するための方法として、手すりの設置位置や長さ、段差を越える際のスロープの設置の注意点、段差を越えるための段差解消機留意点を紹介させて頂きました。これまでは、段差を越える目的として、住宅改修手段をご紹介してきました。

生活行為として玄関での行為と住宅改修

今回は、生活行為として玄関での行為と住宅改修を見ていきます。

私は仕事柄、住宅改修の計画を見させて頂くことが多々あります。その時、実際の生活状況に応じての改修計画になっているのかと感じることが多くあります。

住宅改修の理由として、玄関の段差の昇降が困難、上がり框の昇降にふらつきがあることが多く挙げられています。その場合、これまで紹介してきた様に、手すりや式台の設置、段差昇降機の設置する計画が適切と思います。しかし、外出するには靴を履く必要があると思いますが、靴を履く行為を入れている計画に出会うことは非常に少ないです。住宅改修の目的が動作を可能にすると捉えていることが多いのではないでしょうか。住宅改修が生活行為を維持拡大することに注目すれば、外出を安全に行うこととなり、靴を安全に履くこと改修の範囲に入ると思います。安全に外出するためには、玄関スペースに座る場所(椅子)を設置することを検討することが、生活状況に合わせた改修計画につながっていくと思います。

【移乗を兼ねた椅子】(図1)
段差解消の際に、座位での移動、座位での移乗を行う方や段差昇降の際に不安やふらつきを感じる方はこちらが良いかと思います。
玄関上がり框に椅子を設置します。椅子に座り段差を昇降します。椅子に座って移乗しますので、座位が安定してれば、転倒の不安は少なくなります。座位での移乗時に靴を履くことができるので、移動・靴を履く一連の動作が安全に行うことができます。
椅子の高さは、上がり框、玄関スペース両方で、座りやすく・立ち上がりやすい高さに設定します。立ち上がりしやすさを優先して、玄関スペースでの座面を高くすると靴を操作することが難しくなるので注意が必要です。
【靴を履くための椅子】(図2)
立位で移乗している方は、こちらの方法も選択することができると思います。上がり框を降りた後に靴を履くための椅子を設置します。玄関のスペースが小さい場合は、壁掛け式の椅子を検討しましょう。
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