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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

段差に取り付ける手すりは取り付ける位置が重要

高齢者の事故で多いのは、意外ですが自宅内での転倒です。これは、高齢期を迎えて、行動範囲が狭くなることが、その要因とされています。さらに、後期高齢者になると多くの時間を自宅で過ごすことになります。長い時間を過ごす住居は、安全な環境にしておきたいものです。

高齢期に差し掛かると移動することに困難を感じることが多くなります。特に階段や段差の昇降に支障が出てきます。そのような時には、手すりを取り付ければとの発想になります。

手すりを取り付ける際に注意する点

手すりを取り付ける際に注意する点が2つあります。手すりを取り付ける方向、体大きさに合わせた取り付け位置です。

手すりを取り付ける際には、下りを優先に考え、利き手もしくは機能の良い方に手すりを設置します。片麻痺の様に下肢の機能に左右差がある場合は、機能の良い方となります。下肢の機能を確認する際には次の方法を行ってみてください。転倒が無い様に手すり等をもって体を支持し、片足を挙げます。体重を支えている方の膝を曲げ伸ばします。反対側でも同様に膝を曲げ伸ばし、行いやすい方が機能の良い方となります(図1)。

(図1)下肢の機能を確認してみよう

手すりを取り付ける位置は、使用者の大腿骨大転子の高さに設定します。玄関であれば玄関の上がり框の端、階段であれば段鼻の高さを基準にします。取り付ける位置によっては、危険性が増すことがありますので、注意が必要です。手すりは利き手や機能が良い方の手で使用しますので、手すりの取り付け位置が高かった場合、悪い方へ体重がかかることになります。支持性が低い方に体重がかかることで転倒の危険性が起こります(図2)。

(図2)取り付け位置が高いと反対側に体重がかかる

段差を上る際にも影響が出ます。手すりの位置が高いと段差を上る際に、体重心が体の後方にかかることになります。この状態だと転倒する可能性が高くなってしまいます(図3)。

安全に動作をするための手すりを設置するには、取り付ける位置はとても重要になります。体の大きさや使い方を確認して設置して下さい。

(図3)手すりの位置が高いと体重心が後方にかかり危険

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