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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

排泄にかかる時間を少なくすることで
11月19日は「世界トイレの日」

トイレの日が存在することをご存じですか?

世界トイレ機構が創設され、トイレの問題を解決すべく第一回世界トイレサミットが開催された11月19日が、「世界トイレの日」とされています。世界には、いろいろな水問題が存在し、その中でも最も解決が進んでいない問題がトイレ問題です。そこで、国連では公衆衛生への人々の関心を高め、問題解決を加速していくために、「世界トイレの日」を定めました。

トイレの問題は切実です。普段何気なく使っているトイレですが、身体の障害があると手間と時間がかかってしまいます。トイレに行かないわけにはいきませんが、トイレに行くことが苦痛になることも考えられます。今回は、排泄が苦痛にならない排泄環境を考えていきたいと思います。

排泄を行う過程を上げると、トイレまで移動し、扉を開閉し、衣服を脱ぎ、便器に座り、排泄、始末をして、衣服を着て、手を洗い、扉を開閉し、トイレを後にするとなります。実に様々な動作を行っているのがわかります。

脳卒中で片麻痺を有している方が、排泄で困ることが多いのが、トイレでの衣服の操作です。これらが簡単に行いやすくなることで、排泄に係る時間を少なくすることが期待できます。排泄に係る時間が少なくなれば、排泄への苦手意識を減らすことができると思います。

便器への立ち座りに手すりを使用している方の場合、立位姿勢を取る為に手すりを持つと、衣服を操作することができなくなります。そんな状況を解消する手すりの使い方があります。手すりは把持する、つたう以外の使い方があります。そう、もたれて使う手すりです。

立ち上がりに使う手すりにもたれます。もたれることで立位姿勢が安定し、片手が使えるようになり、下衣の操作ができるようになります(図1)。

もたれて使う手すりは、十分にもたれかかる為に、肩の高さよりも少なくとも100㎜程度は上になるように設置する必要があります。

図では、天井と床で固定した手すりを提示していますが、壁に設置するものもあります。

これらの手すりは、トイレの壁より離れて、トイレの内側に設置しますので、出入りに影響を及ぼす可能性があります。その為、設置位置は出入りを含めて検討する必要があります。

もたれて使う手すり、一度検討してみて下さい。

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