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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

高齢者の転倒は夜起きる
健康寿命を延ばす。

厚生労働省が報告している平成25年の国民生活調査では、要支援者において介護が必要になった要因の第3位に骨折・転倒が挙げられています。転倒を防ぐことが、健康寿命を延ばす1つの方法でもあります。

人口1000人当たりの転倒・転落による救急搬送件数は、後期高齢者15.9件、前期高齢者6.3件、成人1.9件で、成人に比べ後期高齢者の転倒・転落による救急搬送は約8倍となっています。さらに、救急搬送割合の高い場所は住宅であり、季節は冬季に多いことが示されています。

高齢者の転倒事故の発生時の動作は、移動中が最も多く、その行先はトイレが最多であったとの報告があります。

転倒事故の物的要因になりうる段差の視認性や注視点の配分等、安全に関わる視覚特性に視環境が及ぼす影響は、高齢者のほうが若年者より強く受けることが明らかにされています。

現在の照明設計は昼間や夜間活動時を想定しており、夜間就寝時の照明についてはあまり考慮されていないことも示されています。

また、夜間就寝中にトイレに行くとき、寝室・トイレ間の経路に照明を点灯していない人が多いことも報告されています。

高齢者の転倒は夜、トイレに行く際に起きていることが多いと言えます。そこで、寝室とトイレ間の動線をチェックしてみましょう。


寝室とトイレ間の動線チェック!

  • □ 寝室とトイレ間の動線に、照明およびそのスイッチが存在していない。
  • □ 寝室とトイレ間の動線の床と壁が濃い色で、暗くなると見分けづらい。
  • □ 寝室とトイレ間の動線の床と壁が濃い色で、暗くなると見分けづらい。
  • □ 寝室とトイレ間の動線に、家電製品の電源コードが存在している。
  • □ 寝室とトイレ間の動線に、じゅうたん等の段差が存在している。
  • □ 寝室とトイレ間の動線に、手すりなどの伝う所がない。

どうでしょうか。チェックが多いほど、夜間の転倒を誘発する因子が多いことになります。このことから、高齢者の夜間に起きる転倒を防止する方法として、以下のことが挙げられます。

  1. ① 寝室とトイレ間の動線に、センサー式の足元灯(照明)を設置する(図1)。
  2. ② 寝室とトイレ間の動線に、荷物や家電製品のコードがこないようにする。
  3. ③ 寝室とトイレ間の動線に、じゅうたんなどの敷物による段差を作らない。
  4. ④ 寝室とトイレ間の動線に、伝って移動できるよう手すりを設置する。

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