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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

手掛かりは手垢
痕跡の確認が大切

住宅改修を検討している際に、取付ける手すりの位置や形状で困ることはありませんか。

そんな時は、対象となる方がどのように生活行為を実施しているのかを確認することが大切になります。そして、生活行為が安全に実施できると日常生活において何が改善するのかを明確にしておくことが重要になります。

しかし、普段生活していると“これに困っている”、“この行為が大変になっている”等の話は聞けても、それをどのように実施しているかが把握できない時があります。
名探偵コナンではありませんが、生活行為の痕跡を確認することが大切になります。その痕跡の一つが、手垢です。

図1)手すりの手垢

足元が不安定な方は、伝い歩きをされることが多くあります。その際には、安定するために、壁に手をついたり、柱に手をついたりすることがあります。手すりがない場面で、体を支える行為を行っていますので、手をついている場所は、その方が効率的に力を発揮できる場所であることが多いです。そう、手垢がついている場所に手すりの設置を検討することで、その方が普段行っている移動を安全に行うことを可能にしてくれます。

しかし、注意が必要な場面もあります。それは、手すりの代わりとして、支えている場所が肩の高さより高いところにある場合です。具体的には、浴室内の窓の桟(さん)を持っている場合は、そこに手すりを設置しない方が良い場合が多いです。

図2)浴室の窓の桟には注意が必要

手で支える場所があったからそこに手をかけているだけの場合がありますので注意します。

加えて、トイレや浴室内でタオルハンガーを付けている場所にも注意が必要です。こちらも持てる場所にあるから手をかけている場合がありますので、手すり等を設置し手で体を支持できるようにします。同様に扉のノブを手すり代わりにしている場合も注意が必要です。ノブを持たずに出入りが出来る場所に手すり等の設置を検討しましょう。

手すりを設置する場所を検討する際には、手垢がついている所に手すりの設置を検討してください。その際に、以下の3点に注意し、安定して体を支えられる場所を検討しましょう。

  • ●肩より高い位置に手をついている場合
  • ●タオルハンガー等に手をかけている場合
  • ●ドアノブに手をかけている場合
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