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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

生きがいから住宅改修を考える
社会的な役割や活動につなげる改修

高齢者の居住環境を改善する際に、対象となる方の「役割」の遂行を確認することを重要視しています。社会的な役割を得ることにより、生きがいを感じ、充実した生活が送れると思っています。これらは、「平成26年度高齢者の日常生活に関する意識調査」(内閣府)から読み取ることができます。

高齢者は約7割が生活全般に満足していました。満足度を居住状況別に見ると、持ち家の居住者は「満足」、「やや満足している」は合計71.7%、賃貸住宅居住者は50%を下回っており、持ち家居住者に比べて低くなっていました。

生きがいを感じている高齢者は65.5%でした。高齢者の感じる生きがいと同居者との関連性では、生きがい感じていた者が60%を超えていたのは、夫婦二人暮らし、本人と親、本人と子と孫、本人と子の世帯でした。逆に60%を下回ったのは、単身、その他世帯でした。

高齢者が感じる生きがいを持ち家と賃貸住宅の居住者で比較すると、「収入があった時」を除き、持ち家居住者において生きがいを感じる者が多く存在しました。その差が大きかったのは、「趣味やスポーツに熱中している時」、「旅行に行っている時」、「家族との団らんの時」、「孫の面倒を見ている時」、「社会奉仕や地域活動をしている時」でした。

これまでの内容を整理すると、以下の様になります。

  1. ①高齢者は生活全般に満足を感じているが、賃貸住宅の居住者は持ち家の居住者に比べ満足度が低い傾向がある。
  2. ②高齢者の多くは生きがいを感じているが、単身世帯では生きがいを感じる者が少ない。
  3. ③高齢者の生きがいは、持家の居住者で感じる者が多く、趣味や旅行等活動の充実や家族との交流、社会的な活動の遂行において強く感じていた。

以上より、高齢者の生活の満足度や生きがいは、趣味や社会的活動ができる機会や環境を作ることで感じられ、賃貸住宅の居住者および日常生活に追われている高齢者は、それら環境の必要性が高いと思います。

住宅改修においても、社会的な役割や社会的な活動につなげる改修にしていくことが大切な視点だと思いました。

※参考文献:内閣府「平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査」

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