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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

登り坂にご注意ください!

僕はセミが鳴く季節が大好きです。暑い夏にセミの声が聞こえてくると元気がでます。ただ、暑い夏といえばセミの声と同じように聞こえてくるのが、脱水や熱中症に対する注意喚起です。高齢者にとって夏は苦手な季節であり、暑さとの戦いになります。

人間は加齢とともに筋肉量が減少します

人間は加齢とともに筋肉量が減少します。筋肉は水とタンパク質を主成分としているため、筋肉量の減少は体内の水分量が減ることも意味しています。高齢者の皮膚が乾燥することや白内障などの加齢変化も体内の水分量が減少することが要因です。60歳を過ぎると誰もが目の水晶体が硬くなり濁ってくるため白内障になり、色の明暗や濃淡が分かりにくくなります。そのため、今まで意識することなく簡単に通過できていた廊下と敷居の段差が徐々に認識できなくなります。わずかな段差が障害となり、つま先を引っ掛けて転倒につながるのです。今まで通り意識することなくつまずきを防止するために段差解消スロープを利用します。わずかな段差であってもスロープにすることで、つまずく機会が減り安心して活動することができます。

新たな障害となる急な登り坂が

ただ、今まで伺ったお宅では車いす利用にも関わらず、段差解消だけを目的とした短くて急勾配となる段差解消スロープが置かれていました。一般的には車いすを自走するのであれば8°以下の勾配が望ましく、3cmの敷居の高さであれば長さ36cm程度のスロープを設置することが必要です。しかし、多くのお宅では車いすの回転半径も考えず狭い廊下に設置され、自走で登ることもできない介護しても車いすの方向を変えることすらできない新たな障害となる急な登り坂ができあがっていました。

段差解消スロープの設置は簡単にできます。だからこそ、歩いている人のつまずき防止か車いすのための段差解消かしっかりと目的を明確にして利用することが大切です。間違った使い方をしないように声を大にして注意喚起したいと思います。

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