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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

握力と活動量
全身筋力の程度を知る指標

みなさんは体力に自信がありますか?僕は最近、体力の衰えを感じています。小学生であれば学校の体力測定で確認できますが、大人になると体力を測定する機会は少なくなります。地域のスポーツ大会や健康教室で体力測定ができればいいですが、ほとんどの人は自分の体力を把握できていないのではないでしょうか。

デイサービスでは3か月に1度、体力測定をしていました。歩くスピードや片足立ちの時間を計測します。その中でも注目するのは握力でした。握力は物を握る力を測定しますが下肢の筋力などと相関関係が高く、全身筋力の程度を知るための指標として用いられます。活動量が少ない高齢者は全身筋力が低下し、握力も低下するという訳です。握力は左右交互に2回測定し、1回目と2回目の数値に差がある人は要注意です。1回目に力を出し切って2回目は力が出ない人、1回目は身体が寝ぼけていて2回目にようやく力が出る人、どちらのケースも活動量が少ないことを物語っています。デイサービスの日は活動的に見えますが、休みの日はベッド上で過ごし長い昼寝をしているかもしれません。厚生労働省からも「握力の経年低下が大きいほど総死亡、循環器死亡、およびその他の死亡リスクが有意に上昇」すると報告されています。握力と疾病リスクが関連していることから握力には注意が必要となります。ただし、握力が下がらないために筋トレが必要なわけではありません。高齢者や体力に衰えを感じる人は全身運動であるラジオ体操など普段動かさない筋や関節を動かすことから始めましょう。少し頑張れる場合は自分の体重を利用した腕立て伏せや腹筋背筋、スクワットをお勧めします。負荷をかけるのではなく、脳からの指令を全身の筋に伝えることを意識してください。

自分の体力を認識できていないことも問題ですが、それ以上に自分の筋や関節に正しく指令を伝えられないことが問題です。段差につまずくことが増えたり、よけたつもりが物にぶつかったりする人は黄色信号です。全身に神経を張り巡らせ手足の先まで自分の思い通りに動かせるよう活動量を増やしましょう。

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