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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

脳に心地よいストレス
認知機能は加齢に伴って低下する

高齢者が車の運転中に、アクセルとブレーキを踏み間違えました。これって認知症を疑うべきでしょうか?答えはNO、認知機能の低下を疑ってください。認知機能とは、理解・判断・論理などの知的機能を指します。踏み間違えは理解や判断が鈍って起こるため、認知症ではなく認知機能の低下が問題となります。

認知症というとアルツハイマー型認知症が一般的です。これは脳の変性疾患の1つで、誰にでも起こる病気ではありません。しかし、認知機能は運動機能や内臓機能と一緒で、加齢に伴って必ず低下する機能の1つです。この認知機能の低下を放置していると、認知症に進展することも少なくありません。

厚生労働省の報告でも、認知機能低下を予防し、最終的には認知症の発症を抑制したり先送りすることにより、高齢期のQOL(生活の質)を維持することが一次予防に重要と言われています。予防にはウォーキングなど1人でする運動以上に、誰かと一緒に運動することが勧められています。僕はグループでの脳活性化体操として、右手を前に出してパー、左手を胸に当ててグーにし、「ハイ」の掛け声で右手と左手を交換する運動をよくしていました。脳には右手と左手は同じ動きをするようにプログラミングされているため、右手と左手が違う運動をすることは良いストレスになります。さらにレベルを上げるときには、前に出す手をグー、胸に当てている手をパーにし、「ハイ」の掛け声で交換します。人間は転倒時など危ないと感じたとき、手をパーに開いて突き出すように保護伸展反応がプログラミングされています。その反応とは逆に、手をグーで突き出すことは難しい運動になるため、脳をフル回転させなければなりません。ほとんどの人が初めはできないはずなので、できなくても笑い飛ばしてください。できる人は褒めて、できない人は笑いながら練習してもらい、普段とは違った運動で脳への良いストレスをかけます。

みなさんは毎日の生活の中で脳に適切なストレスを与えていますか?運動機能を低下させないためには、日々の運動で骨や筋に刺激を与えるはずです。認知機能を低下させないためには、理解や判断を伴った脳への刺激が必要です。普段はしない運動をしてみることや利き手と反対の手を使うことは脳にとって心地よいストレスになります。積極的に脳を使って認知機能を低下させないように予防しましょう!

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