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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

4点杖はいつ使う

デイサービスや在宅では、利用者が4点杖をよく使っています。理学療法士は4点杖に消極的であっても、ケアマネジャーは4点杖を積極的に提案することが多いように感じます。この意見の違いはなぜ起こるのでしょうか?

一般的に杖を利用する目的は、支える面(支持基底面)を広げることと認識されています。そのためT字杖のような1点の杖より、4点杖の方が支える面が広がり安全に歩行ができると考えてしまいます。しかし、本来の杖を利用する目的は免荷です。変形性膝関節症により脚で体重を支えると痛みが出るときや、脳卒中片麻痺により体重をかけると膝折れするときなど、片側の脚に体重をかけられないときに杖をついて体重を逃すことが目的になります。免荷を目的と考えた場合は、T字杖も4点杖も体重の20%程度しか免荷できないため安全性にわずかな違いしかありません。

4点杖は屋外が苦手です。4点全てが地面に接地できれば支える面は広がりますが、屋外では4点杖の1点で砂利を踏んでしまい不安定になることも少なくありません。日本の道路は水はけが良くなるように道路の真ん中を盛り上げて、歩道のあたりは斜めに下がった状態になっています。そんなかまぼこ状の道路で歩行練習していたときに、10歩に1回の頻度で正しく4点杖を接地できず不安定で危険な歩行になったのを思い出します。4点杖は床が平坦で確実に4点が接地する屋内で利用することをお勧めします。さらに4点杖は床と垂直につかないと4点全てが接地しないため、1歩1歩ゆっくり丁寧に歩くときに利用してください。廊下が狭く手すりを設置すると邪魔になる在宅やデイサービスでゆっくり歩く練習をするときに使ってみましょう。

4点杖は使う場面を間違えるとせっかくの利点を失ってしまいます。もし免荷を目的に杖にたくさん体重をかけて歩くときは別の選択肢があります。確実に4点が接地する環境でゆっくり歩くときに4点杖を選んで利用してください。

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