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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

頼りになる杖

理学療法士はロフストランド杖が大好きです。しかし、実際に利用されている方は少なく、ロフストランド杖に出会う機会はほとんどありません。みなさんは歩行補助用具を提供する際に、とりあえずT字杖や4点杖になっていませんか?

ロフストランド杖の特徴は、前腕カフがついていることです。グリップを握り、前腕カフに腕を通すことで、手と前腕の2点で体重を支えることができます。2点支持により松葉杖と同じくらい免荷ができる安定性が高い杖です。T字杖や4点杖よりも体重をかけることができるため、自分の脚で十分に体重が支えられない方にお勧めです。しかし、ロフストランド杖はT字杖より大きく目立つのが弱点で、見た目が嫌だから利用したくないという声は少なくありません。

街で見かけるのは、脳性麻痺で対麻痺(両足の麻痺)があり、はさみ足歩行(両膝を組み合わせて歩く様子)の方が両手にロフストランド杖を持って身体を左右に振りながら歩いている姿です。脚だけではなく腕の力も使って歩きながら社会参加している姿は、みなさんも街で見かけたことがあるのではないでしょうか?デイサービスでは、脳梗塞で片麻痺になり、筋肉の緊張が強く、足が尖ったようにつま先が下がっている方が、麻痺側の脚で十分に体重を支えられないためにロフストランド杖に頼って歩いていました。身体を杖側に傾けて体重をかけますが、それでも大丈夫なように作られており安心して杖に頼って歩いていたことを思い出します。さらに最近では、海外のサッカー選手がアキレス腱断裂や膝の靭帯損傷などの手術をした後に、松葉杖ではなくロフストランド杖を使っているのをよく見かけます。海外では松葉杖よりも重宝されている様子がうかがえます。

杖の一番重要な役割は免荷(苦手な脚にかかる体重を除くこと)です。T字杖のように扱いやすく、松葉杖のように免荷ができ安定性が高い、両方のいいとこ取りをしているのがロフストランド杖です。とても頼りがいのある杖であり、福祉用具としてレンタルができます。4点杖を使う前に、まずはお試しでロフストランド杖に頼ってみてはいかがでしょうか。

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