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コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修コラム-介護の専門家からみた福祉用具・住宅改修

コラム介護の専門家からみた

福祉用具・住宅改修

「理学療法士からみた福祉用具」、「作業療法士からみた住宅改修」を交代でそれぞれの視点から、専門的な知見を踏まえお伝えするコラムです。

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からみた

サイドケインでどこでも手すり

サイドケインと聞いてどんな歩行補助具かイメージできる方は少ないでしょう。一度でも提供したことがある方と聞くとさらに少なくなるはずです。ではなぜ、サイドケインは人気がないのでしょうか?

サイドケイン

サイドケイン

サイドケインは役割を理解して利用場面を限定すれば意外と使える歩行補助具です。見た目が大きく重たいのは事実であり、取り回しにくいのが欠点ですが、その欠点を十分に補えるだけの安定性があります。4点杖より支える面(支持基底面)が広く安定するため、常に手すりを持ち歩いているような感覚で使用できます。持ち手が2カ所あり上の持ち手は歩行で、下の持ち手はベッドや椅子からの立ち上がりで使用できることも特徴です。施設などの広い廊下で使用することや、和室にベッドを設置して簡易手すりの代わりに使用することをお勧めします。

サイドケインには忘れられない思い出があります。脳卒中左片麻痺の方に行きつけの小料理屋に連れて行ってもらったときのこと、お店に入るまでの3段の段差にたじろぎました。都合よく手すりが設置されているわけでもなく困っていたところ、その方の持ってきていたサイドケインが手すり代わりになることに気づきました。踏み面からはみ出すサイドケインの2本の脚を自分の足で下から支え、手すりとして利用することで3段を昇ってお店に入ったことを今でも覚えています。脳卒中発症後初めての外出が上手くいったことで、その後も外出を目的とし、意欲的にリハビリに取り組んでくれた成功例です。

街の中には段差や階段があっても必ず手すりがあるわけではありません。最近はコンパクトなサイドケインもありますので、ロフストランド杖や4点杖よりもさらに大きく体重をかけることができるサイドケインを移動式手すりとして持ち歩いてみてはいかがでしょうか。

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